年初から大荒れ続く米株相場、底入れ時期を巡り投資家は手探り
Jess Menton、Matt Turner-
S&P500種は年初来で約13%下落、1970年以来の大幅安
-
1-5月がさえなかった過去5回はいずれも相場反転-LPL
5月も終わりに近づく中、前週の米株市場は週間での連続安に歯止めがかかった。投資家の間では、今年に入ってから最悪の相場下落局面は脱したのではないかとの見方も出ている。
トレーダー、7週連続下落から脱却-ほぼ全ての相場が上昇する急旋回
今年はここまで厄介な相場が続いてきたことに疑いはない。S&P500種株価指数は年初来で約13%下落し、1970年以来の大幅安となっている。その背景には、インフレ抑制を目指す米金融当局が積極的な引き締めに動く中でのリセッション(景気後退)懸念がある。金利上昇はテクノロジー銘柄や成長株の魅力を損ない、ナスダック100指数の年初来下落率は約22%と過去最大になっている。
ただ、複数の米金融当局者によるタカ派色を弱めた発言や堅調な個人消費、明るい企業業績が投資家に希望の光を与え、27日のS&P500種は前日比2.5%高となった。
テクノロジー株の売りもいくらか落ち着きつつある。ただ、ナスダック100指数の昨年11月高値からの下落率は一時30%近くに達し、世界金融危機時以来で最もきつい下げとなった。27日の上昇後は23%に縮小した。
投資家はボラティリティーの高さにも悩まされてきた。ストラテガス・セキュリティーズによると、S&P500種は今年これまでの取引日全体の89%で1日の変動率が1%以上となっている。
こうした流れに逆らっているのが、エネルギー関連銘柄だ。ロシアのウクライナ侵攻で拍車が掛かった原油価格の上昇が背景にある。エネルギー株は年初来上昇率が58%と、他のセクターを圧倒している。
アナリストらは、株式相場が底入れする前にさらなる「ヘッドフェイク」があるかもしれないとみている。しかし、割安なバリュエーションが買い手を呼び戻し始めてもいる。
株式ファンドへの資金流入、過去10週間で最大-相場下落で押し目買い
LPLファイナンシャルによると、S&P500種はこれまで、年初100営業日間のパフォーマンスが最も悪かった5年はいずれも年内に反転し、その後の7カ月間で平均19.1%上昇している。一つ注意点があるとすれば、株式市場の取引と投資は1970年代以降、大きく変わったということだ。
原題:
Wild Five Months Leaves Wall Street Split on When Selloff Ends(抜粋)