空売り筋にリテール軍団が総攻撃-際立つ「レディット」効果
Justina Lee-
空売りされている銘柄ほど人気が高いのは確か
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掲示板で人気がある少数の銘柄の急騰が際立っている
米国株の空売り筋はリテール投資家軍団から歴史的な総攻撃を受けている。
ラッセル3000指数の中で空売り比率の高い50銘柄は今年これまでに33%上昇。そうした銘柄を集めたゴールドマン・サックス・グループのバスケットは少なくとも2008年以来で最高の月間上昇率となりそうだ。
それがオンライン掲示板「レディット」の力なのか、今の市場で弱気派が逃れられない運命なのかはともかく、確かなのは空売りされている銘柄ほど人気が高いということだ。
顕著な例はビデオゲーム小売りチェーン、ゲームストップだ。IHSマークイットのデータで空売り比率が浮動株の100%に近かった同社株は今年に入って350%余り上昇。少なくとも1つのヘッジファンドが大きな損失を被っている。
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個人投資家が一斉にコールオプションを購入すると、ディーラーは原資産である株を購入してヘッジすることを余儀なくされ、ヘッジファンドはショートスクイズ(踏み上げ)でポジションをカバーすることになる。
ラッセル3000で最も空売りされている20銘柄の一つであるベッド・バス・アンド・ビヨンドは今年ほぼ78%上昇。AMCエンターテインメント・ホールディングスは破綻を回避した後110%以上値上がりした。
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「空売り筋は壊滅させられた」と、空売りを監視する調査会社クオンティタティブ・パートナーズのプリンシパル、ジェフ・ガーバックズ氏は述べた。
アニマルスピリットがバリュー株や小型株、高ボラティリティー銘柄への資金流入を促しているとみられるが、掲示板で人気がある少数の銘柄の急騰は、リスクオン時代の標準に照らしても際立っている。
ヘッジファンド・リサーチのデータによると、空売りファンドの昨年成績はマイナス48%と少なくとも05年以来最悪。ロング・ショート戦略ファンドの昨年成績はプラス4.6%だった。
原題:Short Sellers Crushed Like Never Before as Retail Army Charges(抜粋)